2009-02-24

デザインフェスタに出展します☆



 5月16日・17日のデザインフェスタ(東京ビッグサイト)に出展します☆
 両日参加、ブースの場所は、C-0404です。
 詳しくは、画像をクリックしてご覧ください☆

2009-01-26

お休み

 今日は、書くことを用意してないか、熱くカタってる時間がないため、お休みにさせていただきます☆
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2006-09-15

1-3

 それは、この国の、きらびやかなこの一日を、締めくくるのにふさわしい宴だった。
 大広間に並べられたテーブルには、次々と豪華な料理が運ばれてきていた。楽団は、この日のために用意した、すばらしい音色を奏でていた。
 人々は、色とりどりのきれいな衣装を身にまとい、思いおもいに話し、笑いあっていた。中には、音楽にあわせて踊っている人々もいる。
 王女ユリアのいる、少し高台にある席から見ると、ぼんやりと、花畑のように見える。マリーは、その隣に座っていたが、どこか上の空だった。
「本日は、まことにおめでとうございます、ユリアさま」
 ユリアのもとには、先ほどから、次々と祝いを述べに、人々がやってくる。
 上機嫌で、にこやかに返事を返す王女に、悪いとは思ったが、マリーは、どうしても頭の中から、今朝のことを、追い出すことができないでいた。それに、あのレイの言葉だ。
 ときどき、心配そうにユリアが何かたずねてきていたが、マリーは、うまく答えられなかった。

「ユリアさまも、今年でもう十三歳になられるんですねぇ」

 それは、ユリアと話していた、婦人の一人が言った言葉だった。マリーはふと、何か、とても大切なことを忘れている気がした。
 そういえば、ホタル石は、どこへいったのだろう。突然、そんな考えが、頭をよぎった。そのとたん、暗闇の中へ転がっていく、淡い光の玉と、乾いた音がよみがえる。
 目の前では、今も、人々の喜びに満ちた時間が、繰り広げられていた。
「……どうしたの? マリー?」
 心配そうにユリアが声をかけてくる。マリーは、彼女のほうを向いたが、笑顔で答える余裕は、もうなかった。
 「大丈夫だって、ちょっと探検するくらい!」そう言ったのは、レイだったろうか。マリーとシャリアは、確かに、それを止めたはずだ。しかし、それが、行動に移されることを、期待してもいた。
「大丈夫? マリー?」
 頭の中で、古びた鐘の音がこだました。ユリアが、何か、必死に自分を呼んでいるのが、遠く遠くに聞こえる。
 はっきりとしない、意識の中で、部屋まで運ばれる間に、苔の生えた、真っ暗な広間がよみがえってきた。
――確か……確か、この奥に――
 記憶の最後の扉が開けられる寸前、マリーは意識を手放してしまった。

1-2

「マリー?」
 晴天のもと、盛大に開かれた式典は、無事に終わったところだった。これから夜にかけての宴の準備と、式典の後片付けで、城の中は、あわただしかった。
 慣れない正装をした若い兵士の中には、少し、嬉しそうに、不平を交わしているものもいる。
 マリーが振り返ると、そこにいたのは、幼なじみのレイだった。式典や宴とは、関係のなさそうな古い書物を抱えている。
「どうしたの、それ」
「ああ、親父が持って来いってさ。……それより、お前、大丈夫だったのかよ?」
 声をひそめながら、通路の端まで移動するレイに、マリーは首をかしげた。
「何のこと?」
「おいおい、別に俺にまでしらを切らなくたって、いいんだぜ?」
 レイは、書物の山を持ち直しながら、少し心外そうにそう言った。だが、マリーには、何のことかわからない。
「昨日の夜のことだよ! お前、途中でどっか行っちまったじゃねえか。……噂によると、古城でつかまったっていうし……シャリアなんか、もう、合わす顔がないって、式典にも来てねぇんだよ……そのわりには、ずいぶんいい服を着せてもらってるじゃねぇか」
 マリーは、ユリアに、半ば強引に、王女のものと見分けがつかないくらい、きらびやかなドレスを、着せられているのだ。
 レイの言ったことに、マリーは困惑した。彼は、そんなことはおかまいなしに、本を抱えたまま、大げさに後ろへ下がり、「そういうのも似合ってるなあ」などとつぶやいている。
「ねえ、一体、何を言ってるの?昨日の夜、何かあったの?」
「何って! マリー! 昨日、俺たち三人で――」
「レイ! アラン氏の使いはどうしたのだ!」
 興奮気味に話し始めたレイの言葉は、通りかかった彼の上官の声に、かき消された。
「ただでさえ、忙しいというのに……アラン氏の使いということで、持ち場を離れることを許したはずだが……なぜ、ここで、楽しげに立ち話をしているのだ!」
 レイは、慌てて、その場を離れながら、こちらを振り返った。マリーに、何か言おうとしたが、となりを歩く上官を見ると、はっとしたように口を閉じ、そのまま、通路の向こうに消えてしまった。
 一人残されたマリーは、しばらく呆然とそこに立ち尽くしていた。相変わらず、まわりでは、あわただしく人々が行き交っている。
 一体、昨日の夜、何があったのだろう。どうして自分は、あんなところにいたのだろう。朝から、もう、何度目になるかわからない問いを、マリーは、また自分自信に投げかけた。

1-1


 その日――十月の三日は、人々にとって、最も重要な一日であった。それは、王女ユリア・ネフェリーの誕生日であると同時に、この国が、長い戦乱を経て、よみがえった日でもあったからだ。
 初めに異変に気付いたのは、宝物庫の見張りをしていた、バラーという男だった。いつものように、宝物庫内の見まわりをしていた彼は、目を疑った。王宮に古くから伝わる、大きな姿見が、粉々に割れ、まわりの枠が、紛失していたのだ。


「今日はこんなにいいお天気で、本当によかったわ」
 王女ユリアは、真紅のバラを一輪、マリーに手渡しながらそう言った。
 花びらについていた朝露が、太陽に照らされて、いっそう美しさを増している。
「みんなが楽しみにしていたんですもの。雨に降られでもしたら、本当に、台無しになるところだったわ」
「ええ、本当に――」
 広い庭に設けられた小道は、バラの茂みを縫うようにして続いている。茂みの向こうに、衛兵が幾人か走るのが見えた。
「そういえば、今朝、宝物庫が荒らされたらしいわ……大きな鏡が、一つ割れていたんですって。でも、犯人は、すぐに捕まったらしいわ。宝物庫番の男ですって……なにも、こんな日に盗まなくてもいいのに……ねえ、マリー?」
 マリーは、渡されたバラを機械的に受け取った。そのバラの輝きとは裏腹に、彼女の瞳は、深く沈んで見えた。
「ねぇ、マリー? 聞いてる? ……もしかして、昨夜のことを気にしているの?」
「いえ……そんなわけでは……」
「心配しなくても、大丈夫。お父様には、わたしから、よーく話しておくから。……それにしても、本当に覚えてないの? 昨日、どうしてあんなところにいたのか……」
 ユリアの問いに、マリーはあいまいな返事を返して、うつむいた。

 マリーは、早朝、古城の裏口に倒れていたところを、見まわりをしていた衛兵によって、発見された。
 それを聞いた、ユリアの指示によって、手厚い看護を受けたマリーは、ほどなくして、目を覚ました。しかし、そのとき、マリーの頭から、昨晩のことは、すっかり消えていたのだ。
 立ち入りを禁止されているはずの古城で、一体、何をしていたのかと、口々にたずねる大人たちに対して、彼女は、首をかしげるしかなかった。
 昨日の夜は、いつもと変わらず、自室で本を読み、十時過ぎには、床に就いた。どんなに問いただされようと、マリーの頭からは、それしか出てこない。
 しだいに強い口調で繰り返される質問に、困惑していると、ユリアが我慢ならないというように、口を開いたのだった。
「いいかげんにしてよ! 今日は、わたしの誕生日なのよ!それなのに! ……このことは、わたしから、お父様に伝えるから! 早く、式典の準備でも、すればどうなの!」

 ユリアのおかげで、その場をやり過ごすことはできたものの、マリーは、自分でも答えを見つけられないその問いに、気分が沈んでいた。
「ほら、そろそろ、着替えに戻りましょう? お花は、これだけあれば、もう、充分よ」
 ユリアの声に、我に返ると、両手には、大きなバラの花束ができていた。
 マリーのまわりのものは、空も、花も葉も、小道にうめられた、きれいな色の石にも、きらきらと輝いている。きれいに微笑むユリアに、ぎこちなく笑みを返しながら、マリーは黙って歩き始めた。

0

 暗闇の底から、冷たく湿った空気を感じた。長く扉を閉ざしていただけあって、息を吸い込むたび、小さな胞子に肺がうめつくされそうな気さえする。
 皆とはぐれてどのくらい経つだろう。
 マリーは自分の足跡を大きく響かせながら、苔の生えた階段を下りた。
 窓は1つもない。窓があったところで、今夜は朔の夜だ。マリーの手には、しっかりとホタル岩のかけらが握られていた。
 ふと、彼女は、空気が変わったのを感じた。広間だった。かつて、煌びやかな宴が開かれたに違いなかったが、今はその面影すら残していなかった。
 彼女は、左手で壁を探った。そこにも苔が生えていた。ホタル岩の光がずいぶん弱まっている。前の朔の日に、火を灯したことを考えると、今日までもっているのは奇跡としか言いようがなかった。
 奥の方で、鈍い光が反射したような気がして、マリーは思わず立ち止まった。
 ホタル岩の光が、ときどき強くなりながら、消えていった。
 近づいてはいけなかった。
 その場を立ち去らねばならなかった。
 もと来た道を一目散に――引き返すべきだった。
 ホタル岩の光を吸い込んだかのように、「それ」は光っていた。ときどき弱まりながらも、その光はゆっくりと明るさを増していった。
 突如、大きな音が響いた。遠くからかすかに重なっているのは、確かに王宮の時計台の真夜中を告げる鐘の音だった。
 しかし、大きな鐘の音は、マリーのいる広間の真上から響くものだった。二度と針を動かさないと誓ったはずの、古の時計台の――。
 いつしか、鐘の音は、十を刻んでいた。光はそれに合わせて、まるで生き物の呼吸のように、強弱をつけている。
 ふいに、マリーの脳裏を、王国に伝わる詩の文句がよぎった。

   王女は 古城に入っては いけない
   十三の時が 刻まれる晩
   そこは 魔界と なるのだから…

 鐘の音が十二を刻んだ。光はいっそう強くなっている。
 立ちすくんでしまったマリーの手から、ホタル岩が滑り落ちた。
 広場の隅のほうまで転がって行く、乾いた音が、大げさなほどマリーの頭にこだました。
 大きく十三の鐘の音が響いた。
 もう、王宮の鐘の音は、止んでいた。
 渦を巻くように光がゆがむ。
「――封印は――れた。――は、ラズニー――ウェル。運命を共にするものよ。我を導きたまえ――」
 マリーは記憶の最後に、誰かがそう言うのを、聞いた気がした。

2006-08-25

さらに。

 無謀な企画、第四弾です。

 昔の書きかけの小説を、ブログにしてしまって、無理やり更新してしまおう!という企画です。

 なんか、全部書き直したい気持ちになるけれど、めげずにがんばっていこう・・・・・・。